富士経済が発表したOTC医薬品のチャネル別市場調査によると、OTC医薬品のECチャネルにおける2024年市場規模は1026億円、仮想ショッピングモール(卸通販分)は316億円だった。
2030年のOTC医薬品のECチャネル市場規模は2024年比22.5%増の1257億円、仮想ショッピングモールは同51.3%増の478億円と予測している。

仮想ショッピングモール企業がOTC医薬品メーカーや卸企業から製品を仕入れて自社で在庫を保有、そして販売する卸通販分が大きく伸びるという。
仮想ショッピングモールで販売規模が大きいのは、定期便を利用すれば継続的に購入できる点などが消費者のニーズに合致しているドリンク剤。季節性があり需要期前に買い置きすることの多い鼻炎治療薬(内服)、総合感冒薬などの品ぞろえも充実している。
表中の仮想ショッピングモールの出店分は、OTC医薬品メーカーやドラッグストアなど小売店がECモールへ出店・出品し販売しているケースが対象。店舗間、仮想ショッピングモール(卸通販分)との競合が激化し、長期的には市場における構成比の縮小が予想されるという。

OTC医薬品メーカーが自ら運営する自社通販サイトは、サイトの認知度が低いため 仮想ショッピングモールと比べて集客力が弱い。今後も伸びは続くが、仮想ショッピングモールと比べると伸び率は低いと推測している。
ドラッグストアや調剤薬局が自ら運営しているドラッグストアECサイトは、ユーザーとの接点を増やすための間口の1つの位置付けにとどまっているケースが多い。ブランド認知度の高い商品、また、セールやキャンペーン対象商品が比較的売れ筋であり、値ごろ感のあるPB製品も好調という。
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