ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」のecbeingは、日本郵便が運営する「郵便局のネットショップ」に、住所情報を7桁の英数字で代替できる「デジタルアドレス」を実装したと発表した。これにより購入者は、会員登録時に一度設定を済ませれば、購入のたびに面倒な配送先住所を細かく入力する手間が省け、よりスムーズな買い物体験が可能になるという。
「デジタルアドレス」は、日本郵便の顧客IDである「ゆうID」に紐づく住所データを、独自の7桁のコードに変換して管理・利用するシステム。ユーザーはスマートフォンなどの限られた画面からでも、住所情報を入力することなく短時間で決済まで進められる。すでに郵便局アプリ内の送り状作成機能などにも導入されており、その利便性が評価されている。
EC事業者にとってのメリットも大きい。住所そのものを直接画面に表示あるいは入力させない仕組みのため、顧客の正確な居住地や同居者の情報が漏洩しにくく、プライバシー保護につながる。さらに、手入力による住所の表記揺れや誤入力を防げるため、配送遅延や宛先不明による返送トラブルを減らし、物流の精度を高める効果も期待できる。
今回のシステム構築は、EC市場の拡大に伴うセキュリティ強化と物流効率化の要請に応えた形だ。ecbeingはこれまでに培った「郵便局のネットショップ」の運営支援実績と技術力を生かし、安心かつ快適なEC環境の実現に向けて導入を主導した。
ecbeingは今回の開発で得た知見やシステム連携の仕組みをテンプレート化し、自社が提供するECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」を利用する他のEC事業者に対しても、「デジタルアドレス」の導入提案を積極的に進めていく構えだ。
拡大する「デジタルアドレス」の外部連携、ECや宿泊業界でも標準化が進む
開発元である日本郵便は、「郵便番号・デジタルアドレスAPI」を無償で一般公開しており、さまざまな外部サービスとのシステム連携を加速させている。
EC業界でも「デジタルアドレス」への対応が広がっている。GMOメイクショップが2025年7月に「GMOクラウドEC」へ同機能を組み込んだほか、2026年4月には楽天グループが運営する「楽天市場」でも「デジタルアドレス」への対応が始まった。また別の業界では、アパグループが自社公式サイトや公式アプリでの会員登録手続きに導入している。セールスフォース・ジャパンも、「Salesforce」上で住所データを安全に複合化できる連携用の拡張アプリケーションを提供するなど、BtoB市場での活用も始まっている。
さらに日本郵便は2026年1月、この仕組みの普及と社会実装を後押しするための組織「デジタルアドレス・オープンイノベーション」コンソーシアムを立ち上げた。このコンソーシアムには、楽天グループやGMOメイクショップ、アパグループ、セールスフォース・ジャパンのほか、街中にオープン型宅配ロッカーを設置・運営するPackcity Japanといった多様な企業が名を連ねる。
日本郵便は今後も連携可能な外部サービスやジャンルを増やし、「デジタルアドレス」を新たな社会インフラとして定着させるための動きを強めていく見込みだ。
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