クローバーテックは、離脱顧客へメールの自動配信やポップアップ表示などの最適なマーケティング施策を行うビヘイビアマーケティングツール「SaleCycle」を、オイシックス・ラ・大地のECサイトに導入、EC上の行動データに基づき、離脱顧客へメールの自動配信やポップアップ表示の施策により、新規顧客向けセットの売り上げを施策実施前比で4%増やした。
「SaleCycle」とは
「SaleCycle」はユーザーデータ(メールアドレス、電話番号など)をユーザーのブラウザ側に保持できるため、一度の訪問で取得した情報を基に次回以降の再入力が不要となり、配信機会を継続的に増やせる点も特長という。
従来のマーケティングオートメーションツールは、メールアドレスやIDなどの情報を保有する顧客へのアプローチが中心だったが、「SaleCycle」は新規ユーザーや情報未取得顧客、サイト来訪後に購入せず離脱した顧客にもメールを送付できることをオイシックス・ラ・大地は高く評価したという。
また、製品選定時には類似製品と機能を比較した。その結果、SaleCycleはJavaScriptコードをサイトに設置するだけで、ページ遷移履歴や既存・新規の属性など、顧客のサイト内行動に応じて柔軟にメールを出し分けできる点が評価された。複数ブランドや新規・定期などのランディングページ、属性ごとに適切なメール配信が可能となり、運用の柔軟性を高める。
さらに、顧客属性に沿ったメール送付による成果向上だけでなく、メールを送信しない属性も指定できるため、クレーム発生の最小化にもつながっている。料金体系についても、月額利用料はメール経由の売上に応じた完全成果報酬型であり、ROASを一定に維持できる。これにより、施策の効果有無を心配することなく、確実に成果のあったコンバージョンにのみ課金が発生し、効果検証の透明性向上と継続利用の判断材料となった。
「SaleCycle」導入の背景と効果
オイシックス・ラ・大地は、これまでリーチできていなかった離脱顧客へのアプローチによる販売機会の損失削減などを目的に、メール配信ツールの導入を検討。多くの離脱顧客にアプローチできるツールを選定した。
導入後、新規顧客向け「Oisix おためしセット」ページでの販売数が、メール配信開始前と比べて3.5〜4%上昇(2025年1月と2025年2〜4月の比較)した。ページ訪問者のうち40%にメールを送付し、リーチできなかった離脱顧客へアプローチできたことが要因という。そのうち15%がメール経由で再訪問し、直接的な売上増加だけでなく再接点の創出にも貢献したとしている。
8月には「産直おとりよせ市場」、9月には「らでぃっしゅぼーや」も導入した。「産直おとりよせ市場」では8月からツールの利用を開始し、新規顧客と既存顧客を配信対象にして到達母数を拡大。メール送付者の18.5%がサイトを再訪問し、メール経由のコンバージョン率は5.6%だった。
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