SCSKは、再現性の高いバーチャル試着をECサイト上で実現するパーソナライズドスタイリングサービス「MIM(My Image Model、ミム)」を開発、提供している。
「MIM」は、消費者の属性情報や雰囲気といった特長を反映したバーチャル上の「マイモデル」がアパレル商品を着用、消費者の特長に合わせた全身コーディネートをレコメンドするパーソナライズドスタイリングサービス。アパレルECの売上向上とモデル着用画像の撮影負荷を軽減し、コスト削減を実現するという。

「MIM」の特長
消費者の特徴を反映したAIモデルのリアルタイム生成
消費者自身の体型や髪型などから、パーソナライズモデルをAIでリアルタイム生成。自身の顔写真をアップロードすることで、本人の顔を反映させたモデルを作成できる。消費者自身にそっくりなパーソナライズモデルがバーチャル上で試着する。

再現性が高いバーチャル試着
実際の商品画像を画像生成としてインプットするため、服のシワ・光沢・透け感など服の特長を捉えた再現性の高いバーチャル試着を実現するという。消費者は実店舗へ足を運ばずに、着用感や服の質感を確認できるとしている。
また、従来はECサイト上に掲載している組み合わせ済みのコーディネート画像しか確認できなかったが、「MIM」は消費者自身の特長やイメージに合った好みの商品を選択し、自由な組み合わせによる全身コーディネートを確認できる。

パーソナライズドレコメンド
従来のECサイトでは単品商品のレコメンドが主流だが、「MIM」のレコメンド機能はユーザの身長・体重だけでなく骨格タイプ・パーソナルカラーなどを合わせた全身トータルコーディネートを提案する。従来のレコメンドに比べ、消費者はよりコーディネートをイメージしやすくなるという。

導入の手軽さ
ECサイトに掲載している商品画像と着丈・袖丈などのサイズ情報を連携するだけで、消費者の特長を反映したAIモデルがリアルタイム生成できる。新たにデータを準備する必要はないとしている。
MIM」の導入メリット
試着ができないことによる購入を控えたユーザの取りこぼし防止やアップセル・クロスセルの誘発効果が期待できるという。一般的なフィッティングツールは導入によりコンバージョン率がアップすると言われているが、「MIM」はさらに高いコンバージョン率の増加に貢献すると見ている。
また、アパレル事業者がECサイトへ商品情報を掲載する際に必要となる商品を着用したモデルの撮影作業を「MIM」で代替。モデルの撮影費などのコスト削減ができるという。
これまで収集できなかったユーザの体型データ・着用データなどを入手することができる。マーケティングや新商品の企画にデータを活用できると見込む。
近年、アパレル業界ではECサイトでの購入品の返品率が高いことや、商品画像やモデル着用画像の撮影負担が大きいことが課題の1つにあがっている。ECサイトに掲載されている商品画像やモデル着用画像は、購入者1人ひとりの体型や雰囲気など個性に合わせることが難しく、実際に届いた商品が想像していたイメージと異なり、返品につながるケースが少なくない。
SCSKはこうした課題を解決するため、「顧客接点の高度化」をめざし新しい顧客体験の提供に取り組んでいる。その一環として、生成AIを活用した消費者の個性に寄り添うパーソナライズドスタイリングサービス「MIM」を、AI技術に強みを持つAIQのノウハウを活用して開発した。
著者情報
EC運営者向けの解説記事とニュース記事を中心としたメディアサイト「ネットショップ担当者フォーラム」を運営しています。
競合企業の動向チェック、消費者動向などがわかるニュース記事や、EC担当者の業務に役立つ実践的なノウハウ記事をはじめ、海外の最新事例や動向が学べる海外ECに関するコンテンツ、通販・ECの専門家によるコラムなどを掲載しています。
- 最新情報をGetできる無料メールマガジン「ネットショップ担当者フォーラム通信」はこちら