どんなに良い商品を扱っていても、サイトを見てもらえなければ消費者は商品を購入しません。つまり、1日8時間をサイトやイベントページ、バナーの制作に使うよりも、サイトや商品への流入経緯を“ミエル化”することの方が重要なのです。アクセスの多いページを発見し、売れる商品を並べる。売れる商品に対して、さらに商品情報を強化、関連商品を並べることにより、売上アップする。「分析・解析・改善」を行えば、楽天店の売り上げは確実に伸びます。そのためのノウハウを、現場のネットショップ担当者に紹介します。
楽天市場担当者が知っておくべきこと、やるべきこと
【楽天市場のお店の売り上げを伸ばすためのポイント】
- 売り上げの公式を覚える
- 売り上げの公式をベースに施策&改善を繰り返す
- ECサイトにおける重要管理指標の理解&暗記
- 販売商品別の施策とKPIを理解する
- アクセス解析を理解する
このコラムで伝えることは、楽天市場の運営において、一番重要なことは「分析・解析・改善」のやり方です。
① 売り上げの公式を覚える
まずは、ECサイトを運営する上で必ず知っておかなければならないこと(要暗記)と、共通用語を説明しておきます。
これは売り上げを作るための基本的な公式です。ECサイトを運営する上での大前提として、お客さまが購入したいと思うショップを作るのは当たり前のこと。しかし、これができていない店舗があまりにも多い。
せっかく作ったECサイトです。注文や問い合わせを増やす、また、多くのファンを獲得するためにも、PV(ページビュー)を獲得する必要があります。PVが少ないのにまず広告を出稿するは間違いです。
② 売り上げの公式をベースに施策&改善を繰り返す
「売上高〇円を達成したい」のであれば、前月のアクセス人数、転換率、客単価から、どの程度のアクセス数が必要かを導き出すことが必要です。やらなければいけない施策がわかってきます。
転換率や客単価をいきなり変えていくことは難しいのですが、アクセス数は露出を広げていけば可能です。
③ ECサイトにおける重要管理指標の理解&暗記
この表はECサイトの重要管理指標です。ECに関する項目のほか、計算方法も記載しているので、必ず暗記しましょう。「CPAは?」「CPOは?」「(社長から)LTVを出してほしい」といったスタッフ間のやり取りは日常茶飯事なのに、理解していない担当者が多いのが実情です。
④ 販売商品別の施策とKPIを理解する
この表は、販売している商品別のKPI(重要業績指数)目標の達成度合いを計る定量的な指標です。この表を見ながら、しっかりと設定できているか自社で確認してほしい。
⑤ アクセス解析を理解する
KPIの設定はアクセス解析をしっかりと実行し、楽天市場のデータを正しく見ることができれば簡単にできるようになります 。
独自ドメインサイトであれば無料アクセス解析ツールの定番「Googleアナリティクス」があるように、楽天市場にも「アクセス分析」があります。ですが、とても使いにくい……。
そもそも外部企業の楽天市場用の解析ツールを使えば、これまで見えなかった部分がすべて丸見えになります。成果につながっていない仕事(たとえばサイト内バナーやイベント)がわかり、担当者が優先順位を付けてやるべきことがはっきりします。
楽天市場のアクセス解析で注目すべき点は、独自ドメインサイトとは異なります。以下のことに注意しましょう。
売り上げを伸ばすためには、お客さまがどこから訪問し、何を購入してくれるのか? サイトへの入り口、コンバージョン、行動を“ミエル化”することが重要で、それをもとにいま、ネットショップ担当者がやるべきことを明確化していくことです。すれば、やるべきことが明確になります。
著者情報
松本 順士 エスアンドティーパートナーズ株式会社 代表取締役
Web・ECのコンサルティング業務、運営代行、制作業務、インターネット広告事業、 タレント・モデルのトータルプロデュースを行っている会社です。
17歳からWeb業界一筋で、自身が立ち上げたレディースアパレルブランドを4年で年商30億のサイトを作ったノウハウをもとに、現在はコンサルティングを行っています。
実績があるからこそ、コンサルティングができ、現在1000社を超えるコンサルティング実績があるため様々な業種に対応しています。
私の考える“強靭な企業”の条件は、意思決定の機敏さと、全員が一体感をもって効率的に行動できること。そして、事業プロセスの改革によって環境の変化にスピード感をもって的確に対応し、持続的な成長を実現することです。
社名にもあるとおり「Strategy & Tactics = 戦略 & 戦術」を駆使して新しい価値の創出に挑戦しています。