「楽天市場」で店舗を運営していて、朝一でやる何でしょうか? 会議でしょうか? デザインやコーディング? いえいえ、違います。効果測定です。それは、1日のはじめに前日の成果を確認し、仕事を始める前に優先順位を付けるためです。朝礼や会議をするにはデータがないと始まりませんよね。貴社では、だらだらと朝礼や会議をしていませんか? 朝市の効果測定から「検証」→「改善」のPDCAサイクルを回すことで、貴社のECサイトは劇的に変わります。
朝一で前日の効果測定、その後に素早い「検証」→「改善」のPDCAサイクルを回す
まずは、「楽天市場の検証・効果測定」をするために、朝市で必要なデータを準備しましょう。検証・効果測定に必要なデータは次の通り。
■全体
- 売上高
- 売上件数
- アクセス数・人数
- 転換率
■商品
- 商品別売上高
- 商品ページランキング
- カテゴリーページランキング
- 店舗内検索キーワード
1日のはじめである朝に前日の効果測定を行うことは、本当に重要なこと なんです。その日に「やること」「やらないこと」を“ミエル化”するのです。ちなみに、「楽天市場」店の検証・効果測定を実施して、PDCAサイクルを回すためには、まずは“継続”できるような仕組みが必要です。
当社のコンサルティングの場合、クライアント側に、まず改善担当者を置いてもらいます。もしスタッフを用意できないというときは、当社でスタッフを割り当てます。そして、業務を“ミエル化”して無駄な組織・販売システム・業務フローを見ていきます。
その後にやることは、“ヤメル化” です。販売につながらない無駄な仕事(作業・広告など)を取り除きます。そして販売サイトの改善(システム化・標準化)を行い、サイトを改善していくわけです。
ポイントは、レポート作りに時間をかけるのではなく、「CHECK(検証)」 ⇒ 「ACT(改善)」を素早く行うことです。
楽天店の効果を検証する5つの改善項目
効果検証の業務の次は、そのデータをもとに行う改善です。「楽天市場」店の効果検証における改善項目5つを押さえておきましょう。
① サイトデザイン(実店舗でいう内装)
お店の顔となるサイトデザインに安心感があり、お客さまの属性に好まれるデザインになっていますか? PCサイト、スマホサイトともにファーストビューでどのようなお店か、ということを一目でわかるようにしましょう。
ポイント
サイトで使うカラーやフォント、バナーデザインなどは自社でガイドラインをしっかり作ること 。
② 商品画像(実店舗でいう、手に取ろうとする意思決定)
購入者の大半が写真を見て、購入の意思決定をしています。そのため、画像は特に重要です。ネット通販は手に取って見ることができないため、商品イメージをどのように伝えるのかが大切になります。商品画像は多ければ多い方がいい。また、スマホの商品ページに動画を用意するだけで、コンバージョンが10倍に上がった事例もありますよ。
ポイント
使い方が必要な商品であれば、必ず動画を入れよう。尺は長くせず、5秒ぐらいでもいい 。PCサイトの場合、正方形の画像が使われているケースが多いが、スマホでは縦長画像がインパクトがあって見やすくて良い。
③ 商品タイトル、説明文(実店舗でいう接客)
商品に対する情報は、お客さまが買いたくなるように伝えましょう。ただ商品のスペックを記載している店舗が多いのが実情。それでは他社と同じです。何も記載していない空の商品ページの店舗も多い。商品タイトルや説明文はSEO対策にもなります。他社と差をつけるために、オリジナルの説明文を作りましょう。
ポイント
担当者は自分のネタ帳を作り、売れるキャッチを蓄積していこう 。アイデアやネタがたまればたまるほど、上手な説明文が作れるようになります。
④ カテゴリー(実店舗でいう棚割り)
お客さまが目的に商品にたどり着けるよう、探しやすいカテゴリーを付けます。
ポイント
スマホの場合はメニューデザイン、メニューバーが重要 となります。
⑤ 商品ページのかご周り(実店舗でいうレジ付近)
コンビニなどのレジ周りには何が売られているか知ってますか? ついでに買うものですよね。「楽天市場」でも同様で、関連商品、あと少しで送料無料になる商品、セット商品を並べます。
ポイント
商品ページと関係ないものは見せないこと。特に買い物カゴの前後は商品以外のものは並べない 。フッターはレビュー、観覧、カテゴリーのランキングを見せる。
以上のことを、「楽天市場」のデータをもとに改善を繰り返していきます。サイトの改善に終わりはありません。
売れる店は改善を繰り返し行っています。担当者は意識して仕事をし、自分が担当した作業が良かったのか、悪かったのかを検証し日々の業務に生かすことが重要 です。
まとめ
売り上げを最大化するためには、「CHECK(検証)」⇒「ACT(改善)」の素早い対応が重要です。そして、効果的な「ACT(改善)」には、改善内容の指標となる「CHECK(検証)」が不可欠です。
ただ、この作業を行うためのデータ取得に多くの時間を割いてしまう、つまり“作業のための作業”に時間を費やしてしまっては本末転倒です。ツールにできることは、システム化してしまった方がいいでしょう。
私はセカンドブレインを使って「CHECK(検証)」するためのデータを1クリックでダウンロードし、「ACT(改善)」に時間を使うようにしています。自社にとって何が適切なツールなのか、探してみるのもいいでしょう。
「楽天市場」内のアクセス解析を使い、無駄な「PLAN(企画)」と無駄な「DO(実行)」をなくし、PDCAサイクルを加速させましょう。
著者情報
松本 順士 エスアンドティーパートナーズ株式会社 代表取締役
Web・ECのコンサルティング業務、運営代行、制作業務、インターネット広告事業、 タレント・モデルのトータルプロデュースを行っている会社です。
17歳からWeb業界一筋で、自身が立ち上げたレディースアパレルブランドを4年で年商30億のサイトを作ったノウハウをもとに、現在はコンサルティングを行っています。
実績があるからこそ、コンサルティングができ、現在1000社を超えるコンサルティング実績があるため様々な業種に対応しています。
私の考える“強靭な企業”の条件は、意思決定の機敏さと、全員が一体感をもって効率的に行動できること。そして、事業プロセスの改革によって環境の変化にスピード感をもって的確に対応し、持続的な成長を実現することです。
社名にもあるとおり「Strategy & Tactics = 戦略 & 戦術」を駆使して新しい価値の創出に挑戦しています。