楽天グループは12月24日、運営するサロン予約サービス「楽天ビューティ」において、生成AIがユーザーのサロン選びをサポートする新機能「楽天ビューティエージェント(β版)」の提供を開始した。従来の条件検索とは異なる「会話型」のアプローチにより、ユーザーの利便性向上と加盟店の集客最大化を狙う。
膨大なデータベースをAIが解析、マッチング精度を向上
新機能「楽天ビューティエージェント(β版)」の最大の特長は、蓄積してきた膨大な店舗データの活用。ヘアサロン、ネイル、エステ、リラクゼーションなど、多岐にわたる業態の基本情報やメニュー、スタッフの特色、顧客による口コミ、さらにはリアルタイムの空き状況までをAIが網羅的に解析する。
ユーザーはチャット形式のテキスト入力欄に、「週末、表参道でカットとトリートメントができる落ち着いた雰囲気の店」といった自然な文章を入力するだけで利用できる。AIがその意図を汲み取り、最適な候補を即座に提示する仕組みだ。
UI/UXの工夫で予約完了までの離脱を防止
検索から予約完了までを一気通貫で完結させるシームレスな設計を採用。提案されたサロンは、チャット画面内の導線から直接予約ページへ移行できる。また、地図表示機能や複数店舗の比較機能も同一画面上に統合されており、ユーザーはブラウザのタブを行き来するストレスなく、サロン選定が可能となった。
さらに、AIとの対話に慣れていない層への配慮として、入力候補を表示する「サーチサジェスト」機能も実装。スマートフォン向けページから無料で利用でき、幅広いユーザー層の取り込みをめざすす。
このAIエージェントの導入は、出店店舗側にとっても大きな戦略的意義を持つ。従来の検索アルゴリズムでは埋もれがちだった店舗固有の強みや特長が、AIによる多角的な解析によって引き出されるようになる。これにより、自店のサービス内容と親和性の高いユーザーに効率よくリーチでき、新規顧客の獲得機会が拡大する。いわば、AIが高度な「コンシェルジュ」として、店舗とユーザーのミスマッチを防ぐ役割を果たす。
楽天グループは今後、β版の運用を通じて得られるユーザーおよび店舗からのフィードバックを反映させ、機能のブラッシュアップを継続する方針。EC領域で先行するパーソナライズ化の波は、美容・ヘルスケア予約サービスという対人サービスの現場においても、標準的なインフラへと進化しつつある。
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