東北の玄関口、宮城県仙台市に本社物流拠点を構えるエス・アイ・ロジ。外食産業チェーン店向けに三温度帯物流を展開し、東北エリアのセントラルセンターとして各店舗への配送ノウハウを食品EC事業者向けに横展開。冷凍・冷蔵保管が必要なネットショップの物流をサポートしている。
BtoB物流の経験をいかした食品EC物流
食品の物流はとにかく煩雑である。クライアントごと、商品ごとに保管温度設定、賞味期限管理、消費期限管理、ロット管理などの基準が変わる。エス・アイ・ロジは大手企業向けBtoB物流の経験を生かし、クライアントや商品ごとに対応。仕組み化を通じてエラーの発生しない庫内業務フローを構築した。
現在、エス・アイ・ロジに物流業務を委託している食品EC事業者は、規模も商材もさまざま。
- 月間1000件出荷の魚介類を販売している事業者
- 平常月は500件程だが繁忙月に3000件程度に膨れ上がるといった物流波動のあるイベント向けスイーツ販売事業者
- 15℃前後の定温管理が必要なワイン販売事業者
立地を生かした保管コストの圧縮を提案
冷凍・冷蔵保管が必要な食品だけではなく、常温保管商品もアウトソーシングするメリットは高い。
たとえば、保管スペースを大きく取ってしまう大型商品、長期保管を行う商品などは、仙台という立地を生かして、保管コストの大幅な圧縮が可能。関東近郊の坪単価では実現できないコストダウンが実現できる。
作業費も関東近郊の相場より数円~数十円の圧縮が可能。たかが数円でも物流コストの圧縮は直接、利益につながるため、コストの見直しを行う意義は大きい。常温保管商品では、大型家電や雑貨、コスメ、スマホ関連グッズなどさまざまな事業者がサービスを利用している。
海外に向けた日本食材・文化の発信基地となりたい
BtoBの物流アウトソーシングがメインだが、輸出入貨物の取り扱いも増え続けている。通関に必要な書類作成の代行から、船便・航空便の選択など、フォワダー(貨物利用運送事業者)業務の代行も手がける。注目が集まる越境ECへの対応も問題なくこなせる体制がすでに構築されている。
一部のクライアントでは、バックヤードのフルフィルメント対応(受注代行・コールセンター代行)も請け負っている実績もある。これからEC展開を考えている食品生産者や加工業者に向け、物流業務だけではなくさまざまな付帯サービスを提供することが可能だ。シンガポール、タイ、中国、台湾など日本の食材・文化を求めているアジア地域に向けたプラットフォームとして、バックヤードから販売事業者のサポートを行っていきたい。(大友 聡 代表取締役)
著者情報
星川 保 ディヴォートソリューション株式会社
2005年2月、セレクチュアー株式会社へ入社。「アンジェ web shop」の商品部部長、物流委託先の責任者を務める。その後、同社ソリューション部の倉庫マッチング事業を担当し、120社を超える物流改善を手掛ける。2012年8月、ソリューション部の独立によりセレクチュアーソリューション株式会社(現・ディヴォートソリューション株式会社)の創業メンバーとして取締役へ就任。web制作、イメージ撮影、物流倉庫マッチング、コンセプト設計などEC支援事業全般をサポートし活動中。