物流とITオートメーション事業を展開する関通は、スイーツ業界に特化したフルフィルメントセンターを新設し、冷凍スイーツ市場に特化した物流ソリューションの提供を加速する。
関通は8月22日、ケーキ専門通販サイト「Cake.jp」を運営するCake.jpと、冷凍スイーツ分野における物流基盤の構築を目的に資本業務提携契約を締結。冷凍スイーツ市場に特化した物流ソリューションの提供を加速し、スイーツ業界全体の課題解決を推進していくとしている。
関通によるとスイーツ市場においては、
- 冷凍・冷蔵・常温を跨ぐ多温度帯の一元管理
- 小ロット多品種への対応
- 賞味期限やロット単位の正確な在庫管理
- 販路別(通販・卸・店舗)に応じた柔軟な出荷・梱包
といった課題が顕在化しているという。関通はこうしたニーズに応えるため「Cake.jp」と業界専用の物流インフラを共創。提携でWMSソリューション「トーマス for Sweets」とフルフィルメント拠点「Cake.jp Sweets BASE」を始動する。
共創するWMSソリューション「トーマス for Sweets」
関通が開発したクラウド型WMS「トーマス」をベースに、スイーツ業界向けに最適化した専用モデルを提供。導入から運用支援まで、「Cake.jp」と連携し一気通貫でサポートする。
- 小ロット多品種対応
- 冷凍・冷蔵・常温すべての温度帯に対応
- 賞味期限・ロット単位での厳密な在庫管理
- 初期導入コストを抑えたSaaSプランも提供予定
共創するフルフィルメント拠点「Cake.jp Sweets BASE」
2026年8月の稼働に向けて準備を進める。保有する高機能な物流インフラを活用し、スイーツ業界に特化したフルフィルメントセンターを新設する。
- 冷凍・冷蔵・常温の全温度帯に対応
- 通販/卸/店頭など販路別の個別梱包
- WMS と完全連携した受注・出荷・在庫の一元管理
- ギフト対応、資材調達、返品対応などのオプションも提供
- 「Cake.jp」加盟の有無に関わらず利用可能な業界オープンプラットフォーム
「Cake.jp」との提携メリットとは
提携による関通の戦略的メリットとしてはスイーツ領域への進出と専門性強化をあげている。成長市場に対し、業界特化型物流を展開する。またWMS+フルフィルメントの一気通貫モデルの構築により顧客の業務効率とLTV最大化を支援する。冷凍スイーツの知見を他食品領域へ横展開可能とし、チルド・冷凍食品業界への拡大余地ありとしている。
今後の展開と展望は2025年内に「トーマス for Sweets」導入企業を10社以上に拡大することを掲げている。
冷凍技術の進化とスイーツ市場の変化が交差する今こそ、業界を横断する物流インフラが求められている。関通は、「Cake.jp」との提携を通じて、“物流×テクノロジー”でスイーツ業界の未来を支え、成長市場への価値提供を加速していく。(関通 達城久裕社長)
全国1700以上のスイーツブランドと共に、感動体験を届けるプラットフォームを運営してきた。スイーツ市場の拡大・多様化が進むなか、業界に特化した物流インフラの整備は、持続可能な成長に向けた重要な基盤と認識している。今回の関通との提携は、スイーツ業界が抱える構造的な課題に真正面から取り組み、次世代のスイーツ体験を支えるための大きな一歩となる。「スイーツの新しい当たり前」の実現に向け、今後も業界の発展に寄与していく。(Cake.jp 高橋優貴社長)
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