ヴァリューズとnoteが実施した、AI検索時代におけるネットユーザーの行動変化とコンテンツの「発見・信頼・訪問」構造に関する共同調査によると、検索するもののサイトに訪問しない「ゼロクリック」が半数超に達していることがわかった。
ヴァリューズはWeb行動ログデータから、AI検索・生成AIサービスの利用実態を調査。noteはプラットフォーム内データを用いて、どのようなコンテンツがAI経由の流入を獲得しているのかを分析した。両社のデータと知見を掛け合わせ、「AIに引用され、さらにユーザーが実際に訪問する」コンテンツの傾向、そのようなコンテンツが集まる場の構造を調べた。
ヴァリューズが推計した9月のGoogle検索のセッション数は約61.8億回で、サイト訪問につながったのは36.5%(22.6億回)。「ゼロクリック」率は63.5%に達している。2025年に登場したGoogleのAI Overviews(AIによる概要表示)やAIモードの影響で加速したという。
どのようなコンテンツがAI経由の流入を獲得しているのか
どのようなコンテンツがAI経由の流入を獲得しているかを調べた調査では「検索エンジンからの流入が多いサイトほど、生成AI経由の流入も多くなる」という仮説を立てて検証。検索流入と生成AI流入の間には正の相関関係が認められたものの、「note」はその相関線から大きく外れ、検索流入から想定される生成AI流入の期待値を約4倍上回った。
ヴァリューズは「note」が他サービスに比べ「AIに引用されやすく、さらにユーザーに訪問されやすい」という二段階の優位性を持つことを示しているとした。
「note」内データの分析から、AI経由で流入が増加した記事には次のような傾向が確認された。
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経験・専門性に基づく深掘り記事
- 平均6000字超の、具体的な事例や知見を含む深掘り記事
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構造が明確
- 見出しや目次が整理され、AIが理解しやすい文書構造の記事
AI流入の約4割は半年以上前に公開された記事で、普遍的な価値を持つ情報が評価されているという。SEOで上位表示されていなくても、内容次第でAI経由の読者獲得につながる新たな可能性が生まれていると指摘。特に旅行・グルメ分野では、検索とAIの双方から流入が集まりやすい傾向が見られたという。
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