BtoB(企業間電子商取引)プラットフォームのインフォマートが、物流業界および荷主企業に勤務する会社員を対象に実施した「物流業界の法改正とDX」に関する実態調査によると、法改正への対応やDX推進の遅れが鮮明になった。
物流企業に聞いた課題や法改正への対応
ドライバーの労働時間規制や休息時間の確保などが求められている2024年以降の物流関連の法改正(物流総合効率化法・貨物自動車運送事業法)。物流業界が抱える課題や法改正に対しての対応について、企業の32.2%が「特に対応していない」と回答。従業員規模別で見ると、50人未満の企業では「特に対応していない」が半数を超え、300人以上が在籍する企業も約3割が「特に対応していない」と答えた。
導入しているデジタルツールについて聞いたところ、「特に導入していない」が48.3%で最多。導入済みのツールでは、「勤怠・労務管理」が29.4%で最も多く、「車両管理システム」が17.2%、「請求書のデジタル化」が14.4%と続いた。
勤務先で把握・管理できているデータは、「ドライバーの労働時間・休息時間」が41.1%と最多。2024年の働き方改革を背景に、労務関連データの可視化が進んでいる。
一方、2025年の法改正で可視化・管理が求められる「荷待ち・荷役時間」は18.9%、「積載率・効率指標」は12.8%にとどまった。
荷主側に聞いた課題や法改正で期待される効果
荷主企業の課題は「運賃・物流コストの上昇が避けられない」が38.9%で最多だった。次いで「契約書対応(書面交付・契約内容の明確化)が増える」が27.8%と高い割合を占めた。特に飲食業や建設業では契約書対応を課題とする声が多い。
多店舗展開する飲食業や、下請け構造が重層的な建設業では取引先数が多く、契約管理が煩雑になりやすいため、デジタル化への課題感やニーズが強く表れていると見られる。
物流関連法改正によって期待される効果について聞いたところ、「物流コストの見える化・適正化」が26.1%で最多だった。次いで「サプライチェーン全体の標準化・DXの促進」が23.3%、「荷待ち・荷役の削減による全体効率化」が22.2%と続いた。
DXが進まない理由
物流企業におけるDX・デジタル化が進まない理由として、「投資余力がない」が35.2%、「IT人材がいない」が32.0%、「紙やFAX、電話に依存している」が28.8%と、コストや人材不足、アナログな業務慣習が主な障壁としてあげられた。
また、「どのツールを選べばよいかわからない」が24.0%、「使用するツールが乱立している(荷主によって異なる)」が22.4%となり、ツールの選定や乱立もDX推進を阻害する要因となっているようだ。
一方、荷主企業側で「DX・デジタル化が進まない、または進みにくい」と回答した理由では、「投資コストが高い」が31.5%で最多となり、次いで「部署間の連携が取れない」が29.4%だった。
調査概要
- 調査内容:物流業界の法改正とDXに関する実態調査
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査期間:2025年10月29日~11月1日
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調査対象:物流業・荷主企業の会社員 各180人
(メーカー系物流会社/商社系物流会社/独立系物流会社/倉庫業、製造業/卸売業/小売業/飲食業/建設業/不動産業/医療業)
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