2016年1月に4階建て1400坪の新センター「ふじみ野事業所」を開設したティービーエス。近隣の倉庫をあわせて合計7物流拠点体制となる。EC物流サービスをはじめ、物流加工業務、各種メーリングサービスなどさらなる事業拡大を進めている。
複雑な流通加工を業務フローレベルにまで仕組化
EC物流業務の受託への取り組みは2005年に開始。すでに10年以上、ネットショップの物流業務を支えてきた老舗のEC物流倉庫である。今ではどの倉庫も標準的に導入しているネットショップ向けバーコード管理の仕組みをいち早く導入し、安定した入出庫業務、検品、在庫管理を実現。現在は120社以上のネットショップの物流業務をサポートしている倉庫である。
ティービーエスが受託しているネットショップは、1社1様のオリジナリティがあふれるサービスを提供している店舗が多い。ティービーエスの特徴は、「メニュー型」と言われるすべて一律の定形サービスを低価格で提供するEC物流会社では実現できないサポート内容にある。各店舗が重要視している「ひと手間かかるが重要な接客サービス」を実現している。
楽天スーパーセールや繁忙期など大量の出荷件数が発生する際も、スムーズに対応できるように業務フローレベルまで仕組み化する物流フローの構築が得意な倉庫である。
現在、サポートしている店舗は在庫点数7万点、月間1万件出荷の単品系アパレル店のほか、月間3000件出荷する子供服、おもちゃ販売店舗など。こうしたショップ向けには倉庫内でのささげ業務(撮影・採寸・原稿アップ)などを提供している。
月間1000件出荷するオリーブオイルやワイン、乾燥食品などを販売する輸入食品店には定温管理での保管環境を提供。
出荷件数は少ないが、芝刈り機、除雪機といった重量300キログラムオーバーの機械・設備の出荷や、ハシゴ、床材といった長モノと呼ばれる商材の出荷など幅広いジャンルに対応している。
One to Oneマーケティングのサポートを提供したい
ティービーエスのECソリューション事業部部長兼ふじみ野事業所所長の稲吉稔夫氏に将来の展望を伺った。
ここ数年、何となくキーワードだけが先行している感のあるCRMだが、物流工程にもCRMが昔から存在している。現段階では作業工程に工夫を凝らし、間違いのないように顧客セグメント、商品セグメントをした同梱物の管理を実現している。将来的には、CRMツールと倉庫内在庫管理システムの連携で、受注管理ツールや商品マスタでは持つことができなかった顧客満足につながるカラムを最大限利用することで、One to Oneマーケティングのサポートをバックヤードから支援できないか、取り組んでいる。
著者情報
星川 保 ディヴォートソリューション株式会社
2005年2月、セレクチュアー株式会社へ入社。「アンジェ web shop」の商品部部長、物流委託先の責任者を務める。その後、同社ソリューション部の倉庫マッチング事業を担当し、120社を超える物流改善を手掛ける。2012年8月、ソリューション部の独立によりセレクチュアーソリューション株式会社(現・ディヴォートソリューション株式会社)の創業メンバーとして取締役へ就任。web制作、イメージ撮影、物流倉庫マッチング、コンセプト設計などEC支援事業全般をサポートし活動中。