大手ゲームメーカー、大手出版社(キャラクターグッズ、アパレルなど)、Jリーグチームのファンクラブグッズなど、10年以上も継続契約しているクライアントが多いというボーダーライン。1992年からデータベースマーケティング事業を中心に事業を広げ、商品保管~発送の物流業務のほか、ネットショップの裏方である受注処理業務やコールセンター業務などのバックヤードもサポート。近年はフルフィルメントサポートの一環として、クライアント先の一部プロモーション(HTMLメルマガ作成~ステップメール配信、セグメントメール配信、簡易バナー制作、LP制作~サイト更新など)支援業務も手がけている。
物流からプロモーションの一元管理でコスト削減
ネットショップ事業者から見た場合、バックヤード業務などを複数社にアウトソーシングしている場合、販売スケジュールや新たなプロモーション企画などを共有するため、同じような打ち合わせを繰り返し行わなければならなくなる。
そうなると、非効率で情報共有のマネジメントが煩雑に。本来の目的である「アウトソーシングによる効率化やコスト削減」につながらないケースが発生する。ボーダーラインは、物流からプロモーションまでを一元管理。人的リソースの集約、コスト削減につなげることができ、30%もコスト削減を実現した事例もあるという。
また、各部署の最適化を図るために効率性を求めてしまうケースが多いEC企業。処理能力の限界点を引き上げることができず、妥協した施策が増えてしまう可能性がある。ボーダーラインは、妥協した施策を少しでも解消するため、ECバリューチェーンの最大化を意識した提案内容を目標としている。
アニメなどが好きなスタッフが高い商品知識を生かし対応
消費者からの問い合わせは、注文キャンセル、届け日、商品など多岐に渡る。また、商品不良やWebサイト上の表現、説明文についてのわかり難さなど、厳しい指摘を受けることもある。だが、こうした経験が業務の品質向上につながっている。
消費者の要望を商品ページに追加する業務、お知らせページ更新など、クライアント先のCSチームとして対応。バックヤード、フルフィルメントサポートとの一元管理を行う大きなメリットとなっている。消費者の意見をWebページへ即時に反映することはもちろん。物流工程への改善内容を速やかにフィードバックし、チーム全体で情報共有し、クライアント事業者のサービスレベル向上に大きく貢献している。
ボーダーラインのスタッフは通販エキスパート検定の有資格者。安心してネットショップ運営の各業務をアウトソーシングできるポイントでもある。
ボーダーラインは主に趣味系商品、アニメコンテンツ商品を中心とした商材を扱っている事業者の案件を受託していることもあり、独特な世界観の中にある消費者ニーズに関する意見が寄せられることが多い。コンテンツ好きのスタッフが対応。商品知識、イベント情報、SNSで発信するコメントなど、キャッチアップを欠かさず行い、消費者と共有できる情報収集に努めているという。
下請け業者ではなく、事業拡大のパートナー企業としてサポート
趣味用商品、アニメコンテンツ商品に理解の深いサービスを行っているため、大手ゲームメーカー、大手出版社(キャラクターグッズ、アパレルなど)、Jリーグチームのファンクラブグッズなど、10年以上も継続契約しているクライアントが多い。つまり、他では替えがきかないサービスを提供していると言える。
ボーダーラインの取締役の児玉佳哉氏は自社の強みについて以下のように語る。
月間500件くらいの出荷ボリュームからのアウトソーシングで、十分にコストメリットを実感できるだろう。単なる下請け業者ではなく、クライアント事業者の事業拡大のパートナー企業としてバックヤードからしっかりとサポートし、売上拡大、CS向上、ロイヤルカスタマーの育成に向けた企画、提案を行っていく点で他社に負けないようにしている。
著者情報
星川 保 ディヴォートソリューション株式会社
2005年2月、セレクチュアー株式会社へ入社。「アンジェ web shop」の商品部部長、物流委託先の責任者を務める。その後、同社ソリューション部の倉庫マッチング事業を担当し、120社を超える物流改善を手掛ける。2012年8月、ソリューション部の独立によりセレクチュアーソリューション株式会社(現・ディヴォートソリューション株式会社)の創業メンバーとして取締役へ就任。web制作、イメージ撮影、物流倉庫マッチング、コンセプト設計などEC支援事業全般をサポートし活動中。