貸ロッカー・スマートロッカー事業を展開するJR東日本スマートロジスティクスと佐川急便は、協業に関する基本合意書を締結した。EC市場の拡大に伴う再配達削減、インバウンドによる手ぶら観光の需要拡大など、物流効率化への社会的要請が強まるなか、多機能ロッカー「マルチエキューブ」を活用して旅行者・生活者の利便性向上と配送の最適化を加速させる。
「マルチエキューブ」は、JR東日本スマートロジスティクスが駅を中心に展開する次世代型の多機能ロッカー。「予約」「預け入れ」「受け取り」「発送」の4つの機能を1台で完結できるのが特長で、東京駅や新宿駅をはじめとする270駅に計793台を設置(2025年12月末時点)。2026年度内には全国約1000台規模への拡大を計画している。
JR東日本スマートロジスティクスと佐川急便は今回のパートナーシップを通じて、「駅の物流拠点化」と「手ぶら観光」を推進する。
協業によって生み出す価値として、以下の3点を掲げている。
- 「いつでも・どこでも」受け取れる環境の提供 駅や空港、ホテル、商業施設、居住エリアなど、ユーザーの生活・移動動線上に受け取り拠点を広げる。
- 配送の効率化と再配達の抜本的な削減 非対面で完結するロッカー活用により、ドライバーの業務負荷軽減とCO2排出量の削減を同時に実現する。
- 手ぶら観光およびインバウンド対応の強化 駅で預けた荷物を宿泊先や空港で受け取れる仕組みを整え、観光客が大きな荷物から解放される環境を構築する。
佐川急便が進める「受け取り選択肢の拡大」および「手ぶら観光支援」の戦略と、JR東日本スマートロジスティクスが持つ「マルチエキューブ」のインフラを掛け合わせることで、受け取り拠点の多様化を大幅に加速できると判断し、今回の合意に至った。
当日配送の拡充やデジタル連携も視野に
今後の具体的な展開として、JR東日本スマートロジスティクスと佐川急便は、旅行動線の利便性強化、拠点拡大、デジタル領域でのサービス連携を深めていく。
旅行動線の面では、駅とホテル・空港間を結ぶ当日配送サービスの拡充に注力し、「荷物が先回りして届いている」ストレスフリーな旅行体験の提供をめざす。拠点の展開においては、駅を起点に商業施設や宿泊施設とのネットワークを強固にし、移動のついでに荷物の預け入れ・受け取りが完結するインフラを整備していく。
サービス連携では、佐川急便の会員サービス「スマートクラブ」からロッカーの予約を可能にすることや、マルチエキューブの公式サイトから佐川急便の手荷物預かり所を予約できる機能の提供を検討中。また、認知度向上のための共同プロモーションも予定している。
JR東日本スマートロジスティクスと佐川急便は、佐川急便の広範な配送網とマルチエキューブの非対面インフラを融合させることで、ラストワンマイルの圧倒的な効率化を追求する。再配達の抑制を通じて現場の業務負担を軽減し、物流2024年問題以降の働き方改革や持続可能な物流体制の構築に貢献していく考えだ。
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