LINEヤフーは人事総務領域における生成AIの活用を本格化させ、2026年春までに新たに10件のAI活用ツールを順次運用開始すると発表した。
人材育成や労務管理、採用支援、さらには各種申請や問い合わせ対応といった主要なバックオフィス業務に生成AIを組み込む。これにより、担当者の業務負担を軽減し、月間約1600時間以上の工数削減を見込む。単なる効率化にとどまらず、従業員一人ひとりが主体的にキャリアを築けるよう支援する狙いもある。
LINEヤフーは2025年7月に「生成AI活用の義務化」を打ち出しており、業務の性質上利用が難しいケースを除き、ほぼ全従業員が日常業務の中でAIを活用している。生成AIはあくまで「業務の補助ツール」と定義しており、AIの出力は参考情報の1つとして扱い、最終的な判断や対応は必ず人間が行うという運用ルールを徹底している。
また、同社の人事総務CBU(コーポレートビジネスユニット)とAIガバナンス部門が密に連携。取り扱う情報の機密性や対象者への影響度に応じて、利用範囲や運用方法をリスクベースで判断する枠組みを整えた。社内ガイドラインの策定や教育、セキュリティ統制を強化し、導入後も継続的に改善を行うことで、ガバナンスの実効性を高めていく。
具体的に導入を予定しているツールは多岐にわたる。採用領域では、アンケートなどの定性データに含まれる「表記ゆれ」の補正や分類をAIが支援し、集計・可視化を効率化。得られた結果を人間が分析することで、採用ブランディングなどの戦略立案の精度を底上げする。
面接に関連しては、評価基準を体系的に学べる「AI自律型面接官トレーニング」を導入。AIを相手にした模擬面接とフィードバックを通じて、面接の質を均一化させる。さらに「Google Workspace」などと連携し、面接官のアサインや日程調整を自動化することで、これまで手作業で行っていた業務を大幅に削減する。
従業員向けのサポートも充実させる。自身の経験や関心を入力すると、社内の公募ポジションを横断的に検索し、最適な職務を提案する「キャリア自律支援AI」を導入。加えて、対話形式で職務経験を整理し、社内公募に適した経歴文を作成してくれる「社内公募活性化AI」も展開する予定だ。
これらの施策により、人事総務部門全体で大幅な余力創出を目指す。LINEヤフーは、業務効率化の先にある「従業員が自律的に挑戦できる環境づくり」という新たな価値創出に注力していく構えだ。
著者情報
EC運営者向けの解説記事とニュース記事を中心としたメディアサイト「ネットショップ担当者フォーラム」を運営しています。
競合企業の動向チェック、消費者動向などがわかるニュース記事や、EC担当者の業務に役立つ実践的なノウハウ記事をはじめ、海外の最新事例や動向が学べる海外ECに関するコンテンツ、通販・ECの専門家によるコラムなどを掲載しています。
- 最新情報をGetできる無料メールマガジン「ネットショップ担当者フォーラム通信」はこちら


